ケース⑤
住宅ローンという重要な決断を流れで決めていたり、不十分な知識で進めている人が見受けられます。
様々な角度から事例と共に紹介をし、参考にして頂ければと思います。
第5回目の事例は、就職先と金利の関係について。
金利について
金利と言えば、お金を借りる上での対価。
金融機関によって、金利が違うのは何となくしっくりくると思います。
預金や市場で調達している = 金融機関にとっての調達コストが変わってくるということですから。
それでは、同じ金融機関で住宅ローンを申込んだとして、人によって優遇金利(金利の割引率)が変わるっておかしいと思いませんか?
それとも、そんなことはないと思いますか?
10代、20代の頃に選んだ会社がきっかけで、住宅ローンを満足に組めない = 家を買えない、そんな事態も起こりえます。
今の時代は、マイホーム購入が正しい選択とは限りませんし、働き方や住む場所、スタイルも自由。
しかし、サラリーマンでもフリーランスでも、十分な収入や時間等があって、総合的に考えて地方で賃貸を選ぶのと、何も無くて、しょうがなく不便な住まいを選ぶのとでは意味が大きく違います。
話を戻しまして、人によって金利条件等変わることはあるのか。
…ズバリあります。
事例
例えば、地元市役所に就職したAと地元中小企業に就職したBと上場会社に新卒で就職した後起業したCの事例。
同じ大学卒の同級生とします。
30才になり、それぞれの理由で家探しを開始。
Åは市役所と言えども地方公務員で年収は500万円。
中小企業のBは仕事をどんどん任せて貰っており、同じく年収500万円。
起業したCも本業外のネットビジネスが好調で3期連続の所得は500万円で推移。
分かりやすくする為、3人とも欲しい家は、分譲住宅で家に関する条件は一緒。
自己資金も一緒で、家族構成等もすべて一緒で違うのが仕事だけにします。
仕事が違っても、年収つまり源泉徴収票ベースで違いはありません。
ある金融機関の事例。
全員満額承認だが、Aは一般に開示されている以上の最優遇金利で、Bは一般的に最優遇と思われる金利(Aには劣ります)、CはBと同じ金利だが保証料率が少し高い(トータルで割高になります)。
なぜAの条件が良いのか。
答えは公務員だからです。
いかに金融機関がつまらない所かお分かり頂けたでしょうか。
それでは、Cが実は弁護士資格を保有し、弁護士として同じ収入をあげていた場合はどうなるか。
答えは公務員並みに下がります。
このケースはまだ理解出来ます。
独占業務の資格を取るに当たって、相応の努力をしており、その結果、見あった収入が将来期待出来ます。
余談ですが、Bが実は勤める中小企業の次期後継者だったらどうか。
もしくは、他金融機関と競わせてたらどうか。
下がる可能性はあります。
いずれにしても、万が一のリスクに備えての担保(抵当権)であって、職業に差を付けるのは時代錯誤と言わざるを得ない(企業戦略としてはわかりますが)。
10年後にはyoutuberが国家資格による独占業務になる日が来るかもしれません。
また、間違いなく、AIに淘汰される仕事が出てくるはずです。
就職に対する価値観は人それぞれですし、先の事もわかりません。
ましてや住宅まで含めたライフプランを考えて、就職活動はする必要はないですが、こういった事実もあるということ知っておいて損はないかもしれません。
たくさんある金融機関の1つの話に過ぎませんし、定期的に企画は見直されますので、いつまでもこの状態とは限りませんが、ある時期こういったケースがありましたという話です。
ちなみに、しっかり貯金して、自己資金が多い人は年収とは別に金利が下がりやすいです。
フルローンで借りられる時代とは言え、貯められる内に貯めておくと、金利面で得するかもしれません。