ケース②
住宅ローンという重要な決断を流れで決めていたり、不十分な知識で進めている人が見受けられます。
様々な角度から事例と共に紹介をし、参考にして頂ければと思います。
第2回目の事例は私の友人です。
転職と結婚のタイミング
プロフィール
30代独身。年収400万円。同棲中の彼女と娘。仕事は施設職員。近々結婚も視野に建て売り戸建ての購入を検討。同時に転職も進めている。彼女もパートにより収入有り。
購入予定の物件は都内で、駅徒歩30分以上の分譲建て売り。
価格にして3,000万円程。
自己資金無し、他の負債無しとして、シミュレーション。
審査金利4%とし、月133千円で年間返済額は1,596千円。
年収4,000千円で割ると返済比率(へんぴ)は約40%で厳しいというのが最初の見立て。
パート収入の彼女が妻になることを以て収入合算させて、+1,000千円で合計世帯年収5,000千円。
へんぴは約32%になればまー行けるかなと。
ここまでの注意点は、彼女と正式に入籍する条件が付くぐらいかなと思っていたら、衝撃の事実がありました。
「もう転職先決まったんだ(^-^)/」
ただでさえ介護系はブラック業種の傾向があり、しかも障がい者専門だから、想像を絶する職場と聞いておりますが、住宅購入&入籍&転職って盆と正月が一緒にきたってやつですか!
ここからは、彼に事実関係だけ伝え、どう判断し、どう行動するかは彼の自由です。
まず、転職の事実を銀行に伝えた場合、前職と同様の仕事であれば、通算で考えるので、3年を越えていれば交渉の余地があるが(出来れば転職後1年の勤務実績は欲しい)、転職先は運送業のドライバー。
異業種であり、審査スコアリング的には良くない。
ありのままを事実を受け入れて前向きに審査する金融機関は皆無と思われる。
次に、審査の過程で職場に在籍確認がある。
在籍の確認が終わり、審査が下りれば職場に連絡が来ることは原則ない。つまり、現職在籍中に審査が完了すると…。
【後日談】
マイホームを手に入れた彼は、新しい職場でノビノビと働く事ができ、犬を二匹飼って絵に書いたような日々過ごしていました…が、数年後に別々の道を選ばれたようです(籍もいれなかったようです)。
さて、ここで気になるのが返済状況。
ローンを通すだけでなく、現実的に二人で返していくのが前提のプランニング。
前もって銀行に相談すれば、返済の延期や毎月の返済額を減らすことについて相談出来るとアドバイス。
しかし、そんな心配は杞憂に終わり、数ヵ月後には新しい彼女がいて、戸建てで同棲中(返済も協力)。
付き合って1年後には無事結婚。
真の幸せ(マイホーム付き)を手に入れたとさ。
銀行員も人間です。
心情的にも営業数字的にも真摯に相談に乗りますが、事実を聞いた以上、嘘や誤魔化した報告は出来ません。
他方、不必要に報告を受けなければ、多少違和感があっても、核心部分に影響無ければ追及しないケースもあります。
悪意を持った不誠実な対応を推奨している訳ではございませんのでご注意下さい。
こんなことあったくらいに受け止めてください。
ローン申込者はしっかりとすべてを話、銀行員はしっかり受け止める。
そして、最善の方法を導き出すのがあるべき姿(世の中にはできないことも多いのもまた事実ですが)。