…本日も宜しくお願いします。
支店行員全員で行う朝礼は毎日実施。
その後は、各課毎にミーティングだが、支店長は数字関係が気になるのだから当然こちら(融資課)に参加だ。
主人公
今日の予定は、来店対応と事務処理を行います。シャッターが閉まったら業者周りしてきます。
営業しろと言われるが、窓口(ローカウンターと呼ばれる座って対応するブース)はおろそかにはできない。
その為、原則15時の閉店まではいるようにしている。
支店にいれば結局来店や電話対応、事務処理で、それでも時間があれば資産運用の電話セールス。
でも、自分に課せられている目標は住宅ローン。
資産運用の全体の目標は、全員で取り組む為なんだかんだ目標通り行くことが多いが、住宅ローンは別だ。
融資関係の担当も、メインは事業性融資が中心。
新人男性に仕事を教えても、法人担当になって巣だって行ってしまう。
その結果、女性が長くローン担当になるケースが多くベテランとなり、もはやなくてはならない存在。
敬意込めてみなローンレディと呼ばれている。
主人公
…私にはそんな事関係ない!私は法人担当になって事業性融資を扱う渉外担当になる。
そんな中、開店前だった為、機械音が鳴り響く。
朝イチに大量に送られてきたFAXを受信した音だ。
送り主は地元の××ホーム。
今の時代も普通にFAXでやりとりしている。
主人公
私が先日金利表を配った××ホームだ。
不動産業者の担当が考えている事は、とにかく早く事前審査の決裁を取ること。
多少の金利差や団信(保険)の違いはひとまず置いといて、住宅購入意思のある顧客を抱え込む為、徒労に終わらせない為(時間や労力を掛けてもローンが通らない人だったらすべて無駄になる)、まずは事前審査を上げて、話を固めていくのだ。
ー これはお試し案件だね
書類を見て課長は呟いた。
この案件通じて、この銀行そして担当者の力量を推し量ろうという魂胆。
複雑な条件やプロフィールじゃないし、業者にとって使いやすい銀行かどうか値踏みするには丁度良い案件。
もしかしたら、2行同時事前審査上げている可能性だってある。
主人公
やってやろうじゃないか
申込人概要
地元で中堅に位置する食品企業。
30代で年収は550万円。
物件は建て売りで、価格は3,000万円。
主人公
チェックシートに当てはめてっと…
担当者毎に対応が変わらないよう、当然マニュアルに沿って審査書類を整備。
主人公
へんぴは30%以内だし、物件の問題もなさそうね。
物件に極端な問題があると審査に影響する。
担保価値が大きく下がる可能性がある為である。
主人公
最後に所見か。条件適格で問題無し。応諾頂き度…っと。
堅苦しい文章で書類を作り上げたら、上席に回覧して、保証会社名へ審査書類を出す。
主人公
今日はなんの邪魔も入らず終わったー
これなら明日に回答がだせるはず。
これなら明日に回答がだせるはず。
…翌日
主人公
先日頂いた事前申込の件なんですが。
最優遇金利で満額の承認となっております。
最優遇金利で満額の承認となっております。
業者担当の返事はあっさりとしていた。
主人公
本申込がくるまで…ってか来るかわからないけど、それまでやることないなぁ。
ガラガラガシャーン。
主人公
それでは業者周りしてきます。
おわり

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